夏の風物詩といえば怪談。
今夏もMYHOSでは、現役ホストから集めた選りすぐりの恐怖体験記を紹介していきます。
結局、1番恐いのは人間だよね…
「いないはずの仕掛け人」
GENTLY TOKYO 雨月瑠夏
僕が保育園の頃の話です。
園のイベントで開催されたお化け屋敷に入ったのですが、やはり小さい子向けということもあり、当時から怖いもの好きだった僕はなんだか物足りなさを感じていました。
赤い絵の具を使った、障子にべったりとした血の跡だったり、段ボールで作った井戸から出てくる貞子みたいな幽霊だったりというお決まり的な順路を進んで、最後に怪奇現象で出口の扉が開かない(という仕掛け)も、子どもながらに予想できてしまったのです。
こんなものかと余裕綽々で出ようとしたその瞬間、氷のように冷たく濡れた手が僕の足を掴んできたのです。
これにはさすがの僕もびっくりして恐怖で泣き喚きながらその手を振り払いました。
急いで振り返ったもののそこには誰もおらず、おかしなことに足も濡れていませんでした。
後から保育園の先生たちに最後のあの手は誰がやっていたの?と聞いたのですが、誰に聞いてもそんな役はないとの事。
僕だけ本物に会っちゃったみたいです。