【ホストの足跡】CANDY’S HEAVEN 優斗

前号に引き続き、今月も各店舗のホスト1人をクローズアップしていく「ホストの足跡」。
今回は３店舗からいま注目のホストが、これまでの足跡を語ってくれました。

CANDY’S HEAVEN 優斗

カスタムショップからの仕事を干されて、逮捕!?

四六時中、車をいじる毎日
汗と油にまみれた日常

僕は千葉県出身。めっちゃ貧乏な家庭に生まれたので、幼い頃に親子丼を食べた記憶がないんです。
母子家庭で親は夜遅くに帰ってくるので、小学生時代は妹のために僕がチャーハンを作っていました。
その頃、最も豪華な食事だと思っていたのが「サイゼリア」のステーキでしたからね（笑）。
中学時代に流行ったのは『クローズ』だったかな。「悪ぶっている奴がカッコいい文化」で育ったので、かなりやんちゃなことをしていましたね。
とは言っても、遊びたくてもお金がない。お金に余裕が出たのは16歳（高校1年生）になってバイトを始めた頃からかな。
当時は、学校が終わったら焼肉屋で22時までバイト、23時～翌3時までラーメン家で深夜のお手伝い。
学生ながら、月20万円は稼いでいましたね。
お金ができると、人間ってのは趣味に走るみたいです。
高校時代にハマったのはバイク。先輩のバイクによく乗せてもらっていましたね。
で、18歳で警備会社に就職したところで、僕の人生を変える出会いが。
それは会社の人の紹介で、車のカスタム関係の仕事をしている人と飲ませてもらったんです。
その人は車が大好きで、いろんな車に乗せてもらいました。
そのうちに車に興味を持って、突拍子もなくドハマり。すぐに警備会社を止めて、車のカスタムショップで働くようになったんです。

車は工場製品なので、全ての物が均一で同じものなんです。
でも、カスタムをすれば世界で1台だけの車……つまりは唯一無二の存在になるのが面白いんですよ。自分色に染まっていく感じっていうのかな？
最初はスピーカー、次はタイヤ……どんどんエスカレートしちゃうんです。
そして本気で1台のカスタムに取り掛かります。カスタム車を1台作る為に、パーツの取り換え用として同じ車をもう1台、つまり2台購入します。
この時点で、バカだと言われますが、もう止まらないんですよ（笑）。
1台が60万円程度だったので、2台で120万円。1回15万円くらいのホイールを4回以上はかえたので60万円。車高を変えるために30万円、その他もろもろの改造を合わせたら、カスタム代だけで約300万円！
昼はカスタムショップで人の車を触り、夜は自分の車に没頭する。
四六時中、車をいじる毎日。頭には手ぬぐい、服は汚れてもいいつなぎ、今のホストの仕事着では考えられない恰好で油にまみれていました。
21歳の時にカスタム車が完成して、いろんな場所を走りました。この時が人生で一番楽しかったですね。

でも、それが人生のピーク。その後、一気に幸せな日々から転げ落ちます。
まずは、カスタムのチームのトップが好きだった女性を僕が奪ってしまい、それでチームから干されます。もうカラッカラ、完全に干からびましたね（笑）。
カスタムの仕事が一切なくなり、身動きができない状態。それで苛立ってしまいましたね。
まあ、これは事実なので正直に言っちゃいますけど、暴行をして逮捕されちゃうわけですよ。
それで、留置所に半年間くらい拘留。1日はトイレ掃除から始まり、まずいご飯を食べる日々。
ずっと自分の好きなことをやって来たので、何もできない時間は地獄。「俺の人生終わったな」とさすがに思いましたね。

留置所で出会った元ホストの言葉

でもね、そんな地獄の中に、ホストになるきっかけが転がっていたんです。
留置所には3人いて、1人目は僕、2人目が裏社会の人でいわゆるヤ○ザさん、そして3人目が元ホストの人だったんです。
元ホストの人が、ホストの面白さをいろいろと語ってくれて、それで興味をもって、出所後にホストになったんです。

実際にホストをやってみて思ったのは、カスタム業とホストは接点が意外と多い。
カスタムはやればやるだけ良いモノができるのが特徴で、ホストも同じで頑張ったら頑張った分だけ売上が上がる。
逆に、サボったらサボった分だけお金が入らない。
すごく分かりやすいけど本質は一緒で、そこは身に染みて理解していました。

僕は常に全力投球の人間なので、昔は趣味＆仕事がカスタムでしたが、今は趣味＆仕事がホスト。
たぶん、ホスト業は僕の性に合っていますね。
カスタムショップ時代にトライ＆エラーをずっとしていたので、失敗も恐れないんですよ。
むしろ、挑戦しない選択が失敗なので。
だから、チャレンジしまくれる今のホストの環境は最高。
カスタムする対象が、車から自分に代わったという感じですね！

YUTO HISTORY

15歳　先輩のバイクに載せてもらって、バイクに興味を持ち始める
16歳　原付を購入。さらにバイクにハマる
18歳　警備会社に就職。だが、車にハマってすぐに退社。カスタム関連の仕事に転職
19歳　カスタム漬けの毎日で幸せの絶頂
21歳　カスタム車が完成
22歳　仕事を干され、逮捕されて拘留。留置所で元ホストに出会って興味を持ち、出所後にホストへ