中学の文化祭で見つけた映画監督への道
編集●映画監督になりたいって!思い始めたのはいつ?
らんま●中学校の文化祭で映画を撮ることになったんですけど、みんな元々僕がマンガとかストーリーを作る事が好きっていうのを知っていたから監督に抜擢されました。そこで監督、脚本、編集などをやって結構高い評価を得る事ができたのがすごく気持ちよくて…。これが監督を目指すきっかけですね。高校に入ってからも映画を撮る事に熱中し、文化祭に向けてクラス全員で1本の作品を作り始めたのですが、凝りすぎちゃって2時間もの大作になってしまったんです。撮影もめっちゃ時間がかかってしまって、結局本編は完成せず予告編だけ作って上映することになったんですよ(笑)。いつかこの時の作品をハリウッド・リメイク版として完成させるのが1つの夢ですね。
高校卒業後は映画学校に進学し、もっと本格的に学ぶようになりました。モデルや俳優の養成学校に行って出演してくれる子のオーディションとかもやったりしたんですよ。「ちょっとこのセリフ読んでみてくれる?」とか言ったり。そんな事やったことないのに堂々してなくちゃと思って(笑)。最後の卒業制作発表会では優秀作品が5つ選ばれるんですけど、僕もその中に入っていて、でも惜しくも2位だったんです。それまで1位をずっと獲っていたからどうしても納得いかなくて先生に「なんで僕が2位なんですか!」って詰め寄ったら「あなたはもっと考えさせられる作品を作りなさい」って言われて…。今でもあの悔しさは忘れらないし、いつか絶対僕を2位にした学校を見返してやりますよ(笑)。でもこの学校で映画の知識を凄く学べましたし、コネクションも出来たので密度の濃い2年間でしたね。
夢のためにニュージーランドへ留学
編集●中学校の頃から「映画監督になりたい」という想いをいまも貫き通してるってスゴいね。
らんま●そんな僕なんてまだまだですよ。ただいつかハリウッドで映画監督になるという夢だけはブレないで持ってますね。いまはホスト業に専念してますが、去年まではニュージーランドの映画学校に通っていました。そっちの学校では映画勉強の他に、3D VFX、アニメーション、イラスト、絵本制作などもやってました。実は日本の映画学校時代の先生からお仕事の依頼をいただいて、日本のテレビ制作を勉強の合間にやってたんですよ。もしかしたら皆さん観てるかもしれませんが、NHK連続ドラマやお正月特番のタイトルを作ったりしてたんです。まさかホストが作ってるとは思いませんよね(笑)現在はこちらに戻ってきてホスト業に専念してるので、なかなかクリエイティブな方の活動時間が取れないんです…。ただ、ホスト業も本気でやらないと誰も付いてこないですからね。でも時間があれば小説を書いたり、素材写真を撮りに行ったりはしてますよ。
勉強資金を稼ぐためにホストへ
らんま●専門学校卒業後、2年ほどアメリカへ語学留学をして、23歳の頃からホストを始めました。それまで親に頼りっぱなしでしたから、自分で稼がないとと思って。最初は親に隠れてホストをやってたんですよ(笑)。東京でアパレルやってるなんて嘘ついて。でもスグにバレてたみたいです(笑)。で、4年間頑張ってお金貯めて、3年間ニュージーランドの学校に行って、いまは休学中なんです。
編集●なんでニュージランドなの?
らんま●ニュージランドにはこの業界で有名な映像専門の学校があるというのとアバターやロード・オブ・ザ・リングを制作した会社がそこにあって、僕もいつか働きたいという想いがあったからです。ここでしっかり技術を磨いて、最終的にはハリウッドに行くんですけどね(笑)。ちなみに学校の入学テストで少し手間取ってしまって8ヶ月かかってしまいました…。こっちが落ち着いたら向こうに戻ってちゃんと卒業するつもりです。
新たな始まりと自分への課題
編集●残り1年なのに休学してまで戻ってきた理由は?
らんま●お店を新しく立ち上げる為に協力して欲しいと声をかけていただいたからなんです。最初は2~3ヶ月だけ帰ってきて、学校に戻ろうと思っていたのですが、僕が厳しく言いすぎてしまったせいか仲間と溝が出来てしまったんですよね。で、そのまま戻るのも悔しかったし、「僕が本気である事、僕だったら店を変えられる」という事を伝えたかったので、日本で1~2年またこの世界でやっていくって決めました。接し方を改め直し、再度みんなと良い意味でぶつかって、ようやく認められるようになった感じですかね。今ではみんなとの距離も縮まって楽しくやってますよ。
編集●結構ギスギスした感じ?
らんま●僕も結構言ってしまったので…めちゃくちゃギスギスしてましたよ。最初は挨拶もろくに出来ない状況で、僕はそういった基本的な事が出来ないのが凄く嫌いなんですね。それで逐一注意してたら〝うるさいおっちゃん〟みたいになってしまって。ホストクラブとして一流店を目指すならそこはしっかりしないといけないと思うんですが、あまり強く言うと今の子達ってスグに辞めてしまいますからね…。でも映画監督になれば人を動かす立場になりますから、今が勉強する良い機会だとも思ってます。でも最初は本当にしんどかったですよ。胃が痛くて毎日辞めたいって言ってました(笑)。その度に先輩から励まされてなんとかやってこれましたね。
ホスト業もアーティスト業も一切妥協せず前に進むだけ
らんま●僕はアーティストでもありホストでもあります。けどそんな器用ではないのでどちらかを力を抜いたりは出来ないし、やるからには100%の力でやりたいんです。なのでこっちが軌道に乗るまでは少しアーティスト活動は控えて、ホスト業に専念するつもりです。以前のお客さんからは「夢を追いかけるために送り出したのになんで帰ってくるの?」とか怒られてしまったんですが、イチから順に説明して納得していただきました。また応援してくれる方も多数いらっしゃって、本当にありがたいことです。こうやって応援し続けてくれる方の期待を裏切らないために前へ進むだけですね。そしていつか世界を変えられる作品を作って世の中に発信していきます。