企画

HOT WORD 〜ゲイボーイ〜

今月のホットワードは一度会ったら忘れられないインパクト抜群のゲイボーイ“まどか”さんをクローズアップ。この世界で人生の2/3を過ごしてきた経験から放たれる言葉は重みタップリでした

編集部宛に一通のメールが届いたのが昨年末。まどかさん本人からで「昭和のゲイボーイです。マイアミ読んでます」の一文と共に写真が添付してあり、写真は相当なインパクトで、編集魂をくすぐるものだった。
とりあえず写真だけではということで、実際にお会いすることに。会ってすぐに感じたのは、トークがべらぼーに上手いということ!内容も面白いし、経験も豊富だから色々と聞くことに…

物心ついた頃には普通の男の子とは少し違うとは感じてたんだけど、当時はそんな事を周りに言ったら、村八分にされてたでしょうね。今でこそテレビにオネエとか出て、世間に受け入れられてるけど、あの時テレビに出ていたのはカルーセル麻紀だけだったのよ。

いつか私もあんな風になりたいとずっと思っていて、18歳の頃に上京したの。新宿2丁目でいくつかお店を回ったんだけど、どこも経験がなければ雇ってくれなくて、仕方なく六本木まで歩いてお店を探したわ。

ネットもない時代だったから、とにかく歩いて探し回って行き着いたのが「ミッキー」というオカマバーだったの。そこで「ウチは相当厳しいけど入るなら入れ」って。選択肢なんてなかったし、やっと雇ってくれる店だったから、その日から働くことに。

まどか Twitter@aamadomado 49歳・1969年6月10日生まれ

当時のオカマバーは、その手の人しか入れないお店ばかりだったんだけど、ミッキーは日本で初めて一般の人が入れるお店で、連日多くのお客さんが来てくれたわ。それこそ大物芸能人やスポーツ選手まで。でもね、そこでの仕事は本当に厳しかった。

毎日お店が終わったらミーティングが2時間あって、そこで寝るもんなら引っ叩かれたわ。お店全体を見れる場所に社長が待機する部屋があって、その壁はマジックミラーになってるんだけど、ボトル空けるのが遅いと「まどかさんお電話です」って言われて呼び出しされて、社長に怒られるっていうそんなレベルで仕事してたわ。

今では考えられないけど、それが当たり前だった。ちなみにシャンパンコールの元祖って実はここなの。酔っ払って伝票のつけ落としが多発していて、どうにかしないと思ってコールを始めたのよ。それを見ていたホストクラブのお偉いさんが持ち帰って、いまの形にしたってわけなの。

 

軍隊のような厳しい環境のなか やっとの思いで自分を確立し始めた矢先…